去る(土)、26日(日)、今年の「東北自然農実践者の会」が、福島県で開かれました。
東北自然農実践者の会は、1999年に開催された「第8回妙なる畑の会、全国実践者の集い」に参加した人たちが中心となり、「東北ならではの自然農の工夫、暮らしの知恵などを学び合う会」という趣旨で始まったそうです。参加資格は、「東北地方で半年以上自然農を実践している人」。
私は、福島県川俣町のやまなみ農場さんが主催する、「自然農学びの会」に参加して三年目になります。これは、月一回、一泊二日の日程で、年間を通して、自然農の基本を身につけるための学びの場です。
月一回の研修では「自然農を実践している」とは言えませんが、この学びの会の日程が、今年は「東北自然農実践者の会」と重なったため、学びの会のメンバーは全員、実践者の会に参加することになりました。
自然農とは何か
「自然農とは何か」という問いは、たいへん難しいのですが、基本的な考え方として、自然農の三原則というものがあります。
●耕さないこと。
●草や虫を敵としないこと。
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しかし、これらの原則は、厳密なものではありません。風通し、日照、初期育成のための草刈りは欠かせないものですし、虫をとることもあります。ただし、農薬は、もちろん使いません。
肥料については、化学肥料は決して使いませんが、土壌改良のために、有機肥料や液肥を補うことはあります。ここのところが、有機農業との差別化が難しいと言われる理由になっていると思われます。
でも、自然農には、あきらかに有機農業とは違った印象があります。それは、「出来るだけ、自然に添った農、生命の理に添った農」であろうとする、自然農のあり方だと思います。
やまなみ農場の、われらが師匠、佐藤和夫さん(60)は、農業を続けて44年になりますが、初めは慣行農業、次に有機農業を経て、自然農にたどり着いた人です。
有機農業の時代には、年収一千万を超えた時もあったそうですが、お金がたまる一方、忙しい毎日の中、時間の余裕もなくなり、心が満足できなくなって、「これは何か違う」という思いが募っていったそうです。
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川口由一さんは、「わら一本の革命」の福岡正信さんの自然農法を、より実践的な自然農として確立した人で、代々の農家の出身で、慣行農法から始めたという点では、佐藤和夫さんと共通点があると思いました。
今年の東北自然農実践者の会は、そんな、やまなみ農場さんが中心になって、ホスト役を務めたのでした。
会の記録(1日目)
正午過ぎ。
福島県相馬郡飯館村、「はなふさ農場」集合。
東北各地、北は青森県から、特別参加の埼玉県の方まで、39名ほどが集まりました。
天気はあいにくの雨。
ここは、20年間の東京でのサラリーマン生活の後、2001年にこの地に移り住み、自然農を始めた、菅野英男さんの農場です。
畑は約25aで、ウリハムシモドキの食害に悩まされながらも、長ネギ、ナス、シシトウ、ピーマン、トマト、キュウリ、ワケギ、絹さや、スナックエンドウ、オクラ、いんげん、落花生、小豆、アスパラガス、玉ねぎ、ニンニクなどなど、実に多種多様な野菜を作付けしています。
菅野さんは、技術系のお仕事をなさっていたらしく、研究者の視点から自然農の実験も重ねてきたという感じです。畑は、手入れが行き届いているという印象で、多品目が整然と、見事に生育していて、みなさん感嘆していました。
雨も上がり、川俣町の師匠のやまなみ農場へ移動。
自然農19年目の畑30aでは、葉物30種類、根菜10種類、果菜15種類、雑穀類は、大豆、いんげん、小豆、ジュウネン、タカキビ、アワ、シコクビエ、アマランサス、小麦、大麦などを育てています。
続いて、田んぼを見学。
コシヒカリ、黒米が元気に育っていました。
やまなみ農場さんは、「自然農自給生活学校」を毎年開き、住み込みの研修生を受け入れています。ここから巣立って、自然農を実践している人も多いのです。
今回の参加者の中にも、自給生活学校出身者が何人かいらっしゃいました。
続いての見学地、「どんぐり園」の園田明夫さんも、その一人です。
園田さんも、30年間、東京でのサラリーマン生活を経た、脱サラ組です。今回は、スタッフとして、車両係も務め、大奮闘でした。
どんぐり園は、こじんまりとした中に、多品種の野菜がかわいらしく育てられていて、とても好感のもてる畑でした。野菜がみんな楽しそうで、やはり、作る人の性格が出るみたいです。
「今日は、こんなにたくさんの人に来てもらって、うちの野菜たちも喜んでいると思います」
園田さんのそんな言葉が印象的でした。
今日の宿泊地、花立荘のある、花立農場へ移動。
夕飯は、のの自然農園の長野絹加さんが中心になってつくった、マクロビオティック料理です。
自然農の集まりなのだから、健康に良い食物を、という長野さんたちの強い思いから、大変な手間ヒマをかけてつくられた料理は、緑豆のハンバーグをメインに、一口ごとに体が喜ぶようなお味でした。
夕食後は、全体会、自己紹介とディスカッションが行われました。ここでは、主に自然農の栽培関連の、技術的なことが話し合われました。専門的なことなので、まだ私にはピンとこないことも多いのです。
話し合いの最後の方になって、「自然農とは何か」という話題が出ました。
・「自然農」ということを、知らない一般の人に説明する時、どうするか。
・言葉のイメージと実態が、かけ離れているのではないか。
・「草をボウボウ生やした、楽な農法」ととらえられることもある。
・福岡さんの本を読んで、何もしない農法と誤解して来る人たちがいる
……などなど。
日々、つらい思いをして、苦労してやって来られた方々ばかりなので、そういう見方はほんとうに心外なのでしょう。
宮城県丸森町で、自然農を続け、一般向けの自然農塾も開いている、安部信次さんは、「言葉では何も伝わらない。何も言わなくても、その畑に立てばすべて感じてわかってもらえる、そんなふうになればいいと思っている」と発言されました。
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それ自体も、言葉ではありますが、自然農を実践されている人たちには、その一言が、深く心に落ちたようです。
言葉に救われた経験もある私は、言葉の大切さということもわかるのですが、みなさんが感じていることは伝わって来ました。しかし、私はこの時、そこにいる自然農を実践している人たちと一般の人たちとの、意識の断絶を感じていました。
「楽だと思うなら、やってみろっていうんだ」
参加者の一人が、そうおっしゃいました。
確かに、やってみなければ、何もわからないでしょう。
でも、生産者の生活は消費者に支えられ、消費者の生活は生産者に支えられています。
そこの意識が断絶し、お金のやり取りだけになっていることが、いろんな問題を生んでいるのだと思われてなりません。
そこに、理解しあえる、感謝しあえる関係が成り立てば、農業は変わって行くでしょう。
自然農の可能性も、そこにあるように思います。
意識の断絶を埋める方法として、言葉も大切なツールだと思うのですが、ではどんな言葉なら、その断絶を埋められるかと考えると、大変難しく、簡単に答えはでません。「思いやりのある、誠意のある言葉」だとしか、思いつきません。それでも、分らないままに、ただトライし続けるしかないとも思います。
夜は持参の寝袋でごろ寝しました。
2日目
翌26日、日曜日。
天然酵母パンのおいしい朝食の後、実際に畑に出て、草の刈り方、種の蒔き方を学び合いました。
やまなみの師匠の身のこなしは見事で、みなさんの尊敬を集めていました。
耕さない自然農でも、種をまく時は、畑の表面を鍬で削ります。それぞれの技術を披露。
丸森町で自然農をしている北村みどりさんは、「モグラ捕り機」を持って来て、皆さんに紹介していました。いくら自然農とは言え、モグラの害は甚大で、仕方なく北村さんは罠を仕掛けるとのこと。しかし、中に空気が入るようにして、殺さないようにして遠くへ逃がすのだそうです。やっぱり、やさしい人たちなんですね。
その後、自家採種の種の交換会の後、一応解散。
でも、私は、二日目オプションも参加し、宿泊しました。芦川農園と、のの自然農園に別れて、見学会が行われました。私は、芦川農園を見学。
芦川農園は、長めの良い傾斜地にあり、田んぼ8a、畑30a、放し飼いの鶏を100羽以上飼っています。ご夫婦と、5歳の娘さん、犬、猫と共に、実に楽しそうな一家でした。
みんなが見学しているとき、娘の桜ちゃんが、キャッキャと笑い続けていたのがその場の空気を和ませていました。
みんな、みんな、素敵な人ばかりでした。
二日目の夜は、少人数になり、楽しいお酒をいただきました。
みんなを迎えるために、奔走し、準備してくださったスタッフの皆さんには、ほんとうに頭が下がります。 Klymit アーマードV頑丈Superfabricスリーピングパッド(2018年新)、ブルー
ありがとうございました。
自然農という生き方がある。それは、今、この時代を生きる私たちの、ひとつの希望だと思っています。
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